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仕事が終わると何時もの如く家路に着こうと思った。
誰も居なくなった社内は、もぬけの殻と言うよりも閑散とし少し不気味めいている様にも思えた。
「そう言えば手紙……………」
家に帰るまでには処分しておこうと思った。そして何よりも家には持って帰れそうも無かった為此処で処分しようと思っていた。
封筒を開ける。中には”仕事終わりに会社裏で待ってます”とだけ書かれていた。
その場でシュレッダーにかける。家族はそれほど大事では無かったが、今の家庭に不満がある訳でも無かった。
故に波風立てない事が私の生き方である。ただそれだけの人生でしかない。
「………………行く訳がない」
そして会社を出る。立ち止まり暗くなった街並みの中まるで動けなくなったかのように立ちつくしていた。
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