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行く気はない。興味も無い。どうせなら関わりたくはない。
そうは思ったが、実際には会社の裏に回っていた。会う気などさらさらなかったが、まさかこの時間まで待っているとは思わないからだ。
ビジネス街とはいえ、夕刻を過ぎれば薄暗く女性の一人歩きはかなり危険なものである。特に近場には怪しげな外国人の経営するサービス業を行っている事が主な原因であった。
女性社員は残業をさせず必ず帰らせる。ワザワザ会社自体がそう言った取り決めを行う程、辺りは薄暗く何かが起こっても不思議では無い。
「……………はぁ」
しかし、あの女性社員はそこに居た。勿論私服に着替え、会社では頭を括る事が規定であるが長い髪をおろしそこに虚ろに佇んでいた。
そのまま立ち去ろうかと思った。しかし。、根がまじめ過ぎた私は声をかけずには居られなかった。
「君は馬鹿かね。此処は君のような若い女性がウロウロしていい場所じゃない」
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