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愛しい君へ
私は、君が好きだ。
優しい髪色、素朴でいて整ったその顔立ち、黒曜石の瞳、小さな体。
出会った頃の君は、暖かく、それでいてどこか孤高な雰囲気を漂わせていた。
世界が色を変えて、君の色も変わっていった。
それでも、私は諦められなかった。
この汚れてしまった世界で、君だけが前と同じ瞳をしていた。
君がどんなに汚れても、その美しさは変わらなかった。
使い古された表現だと嗤うかもしれないが、淀んだ水の上の睡蓮のように、輝いて見えた。
私がそうあってほしいと思っていただけで、君は本当は正体を変えてしまったのかもしれない。
それでも、私は君が好きだ。
君が私から、君を含む全てを奪っても、私は君だけを愛している。
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