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あの後どうしたんだっけ。
確か、とりあえず何も見なかったふりをして、体裁だけでも無事にショッピングを終わらせて、いつの間にか帰ったんだった。
なんか、慶久君に申し訳ないな。
ベッドのスプリングが大きく音をたてるくらいに大げさに倒れ込んで、枕に顔を埋める。
少し埃が舞って、咳き込みそうになる。
なんで、こうなっちゃったんだろう。
今までと何も変わらないのに、変わっちゃいけないのに。
どれくらいこうしていただろう、随分時間が経ったあとだ。
突然部屋の窓ガラスに何かが当たる音がする。
あの窓は雅史の部屋の近くの窓だ。
私と雅史は家が隣同士で、部屋も近い。
そういえば、お互いに窓を開けて夜遅くまで話し込んで、親に怒られたこともあったっけ。
ゆっくりと起き上がり、窓を開ける。
「よう」
そこにはやっぱり雅史がいた。
「なにか用があるならメールとかにしてよ。窓が傷つく」
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