最低な幼馴染

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「アタシの方が相応しいに決まってるわ!」 「どこが?鏡見たら?私の方がずっと似合うよ!」 「隣はアタシが座るのよ!」 「何言ってんの?私だよ!」 またやってる。 しかも前とは違う人達。 私の通う大学の食堂では、毎日のように女子達のこのやりとりが行われている。 原因は毎回同じ。 私の幼馴染である米田雅史だ。 毎度のことに呆れ果てていると、雅史が私の方を見て小さく両手を合わせる。 助けてくれ、ね。 自分で蒔いた種なんだから、勝手に困っていればいいのに。 だけどこのまま放っておけば周りの無関係な人達が可哀想。 すごく困った顔をして、何人かは縋るように私を見ている。 これじゃご飯すらまともに食べられないか。 仕方ない、雅史には後でなにか奢ってもらおう。 それでチャラにしてあげる。 私はやけに重く感じる足を無理矢理動かして、騒ぎの中心へと近づいていった。
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