最低な幼馴染

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「ごめんって。いつもありがとな」 雅史はそう言って私の頭を撫でる。 天然タラシめ。 誰にでも優しくして、誰にでもそうやって簡単に心を許して、気軽に触れるんでしょ? そういうところが唯一嫌いなんだよ。 「はいはい、分かった。…じゃあ私先に帰るから」 頭に置かれた手を振り払って、早歩きで彼の傍を離れる。 幼馴染でなければ、いや、幼馴染であっても隣に立つのが不釣り合いなのは一目瞭然。 「じゃあ、俺も一緒に帰る」 慶久君が私の横に並ぶ。 慶久君の隣も私じゃ不釣り合いだ。 「お、おい」 「マッシーは今日のオンナノコ達をどうにかしてから帰りなよー」 私の代わりに慶久君が返事をする。 私が今雅史と一緒にいたくないことを察してくれたんだろう。 雅史は私の感情にだけは鈍い。 まあ、私も彼が何を考えているかなんて分からないから、お互い様かもしれない。
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