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“もう、狂言と言えそうな空想を送ってしまおう”、と。
「よし。“ではこんな空想はどうだろうか?会社全てが倒産する”っと」
そう打ち込み、意気揚々と彼は送信をした。
すると直ぐに返信が帰ってきた。
“他には?”
堂々とした相手の態度にいらつきを覚えた彼は、更なる空想メールを送ることにした。
絶対にできないようなものを。
「“日本中の電車が止まります。ダムの水が全て干上がります。私の近所全員が殺し合いをします。車が一瞬にして豆腐になります。怪物が現れ、魔法で人を石にします。そして人類は目から血を流して滅びます”……これでいいか」
荒い息をまきながら、宗也は再び送信を押した。
すると直ぐにまた返信が。
“いいくうそうですね”
彼の怒りは頂点に達した。
更なる妄想を相手に送ろうとした時、家の電話が突然鳴り響いた。
その音に驚きながらも、宗也は受話器を取った。
「もしもし」
「斎藤だ!」
電話の相手は同僚の斎藤であった。
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