第1章『囚われの姫君』

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  ―――ジュ…ジュル。 本当に彼女は、欲に素直でわがままな生き物だ。 彼女の純白のワンピースに、赤い模様がぽつりと滲む。 「…美味しいですか?」 私は問う。 彼女は布から落ちたパンを足元に、気にすることなく私をひたすらに求める。 問わなくてもわかりきったことだった。
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