第1章『囚われの姫君』

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視界が眩む。 この感覚は嫌じゃない。 思う存分に私の血を飲んだ彼女は、私の耳元でくすぐったい吐息を漏らした。 私の血を全身に巡らせるように、吸い込んだ私の血をじっくりと味わうように…彼女の髪は赤黒く色を変えていく。 みるみるうちに彼女の肌色が血の気を帯びて熱を持つ。 そこにいた彼女は別人だった。
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