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あの日から再び月日は流れ、時はオリンピックイヤー。
テレビ画面の前にアイツはいた。
黄金に輝くメダルを胸に、笑顔でいるアイツ。
そして、その傍らには……。
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『優勝おめでとうございます。
ところで、相棒たるカイシンノハッシャは友人が飼われていた馬の血統だと聞きましたが?』
『えぇ。残念ながら、彼の家は廃業してしまい、この母馬も馬肉にされかかってましたが、なんとか私のチームで落札し、種馬として昨年に大往生するまで伸び伸びとうちで過ごしました』
『それほどまでに愛着があったんですね』
『ええ、それはもちろん。
だって、約束だったんですよ。
アイツが育てた馬に跨がって、俺が世界一になるって。
だから、また町に戻ってこいよ!』
『なるほど、素敵なお話しでした。
以上、馬術世界一に輝いた……』
~~~
テレビの前で笑うアイツに涙を流す俺。
俺達の約束だったカイシンは、馬肉にはなっていなかった。
その血統を継いだ、カイシンノハッシャが世界を獲った。
こんなに嬉しいことがあるだろうか。
宣言どおりに、『大きくなって帰ってきた』アイツ。
ならば、俺もあの時の約束を果たさねばなるまい。
☆☆☆☆☆
その四年後、彼は再び世界を獲った。
その傍らには、四年前と同じ愛馬。
そして、名もなき飼育員がいた。
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