第3章

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「ハルー!K‐42地区でセカンド大量発生で一般人の死傷者出たらしいんだけど、救援二人で行って来いってさ!行くよっ!」 俺はリクに引きずられるようにして職場のエントランスを後にした。 エントランスを出る時、同僚たちの俺をあざける会話が聞こえた。 「セカンドがセカンド狩りに行くらしいぜ。」 「そのまま死ねばいい。」 「リクも可哀相になぁ、あんな奴に…」 いつものことだが溜息が出る。 周囲の会話が聞こえていない鈍感なリクは後から救援のヘリが来るとか何とかベラベラ喋っている。 駐車場に着くと、リクは俺のバイクのカバーを外す。 「バイクの運転よろしく!」 「お前まだ免許を取っていないのか?」 そう返すとリクは口笛を吹きながらサイドカーを引っ張り出してきた。 口笛を吹いているということは、聞こえていたけど聞こえなかったふりをしているということ。 今後も免許を取るつもりは全くないらしい。
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