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K地区に着いた時、内陸部はひどい有様だった。
ばらばらになった撮影機器、無数の傷とへこみで原形をとどめていないワンボックスカー、セカンドに対抗するために撮影隊が使ったのだろうか、中型のマシンガンが、引き金のところに指をかけたままの手首をぶら下げて落ちている。
散らばった肉片と骨、服の切れ端はマシンガンの持ち主に違いない。
しかし、肝心の救援するべき討伐隊はどこへいったのか。
「ハル、見て、あれ。血の道が続いてるんだ。」
リクの指差した方向には赤黒く変色した血の道ができていた。これをたどれば見つかるだろう。
血の道に沿って走ること暫し、近づいてきたのか怒声と悲鳴、そして銃声がだんだん聞こえてくるようになり、スピードをできる限りあげてゆく。
「まだ片づけてないのか、仕事が遅い。」
俺は舌打ちしてリクの様子を窺う。リクは銃器の最終チェックをしていた。
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