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可笑しい、可笑しい。
この家に誰も居ない。
ぎゃあぎゃあとうるさい母親も、他人のことを考えない父親も、あたしを見下した弟までもが、この家に誰ひとり居ない。
異常な現象が起きている、と頭でわかっていながらも理解したくない為に、変な方向に思考が持って行かれてしまう。
「みんなー……?もう朝だよ?どうして、誰もリビングにいないのよ」
寝る間際に聞いたあの声を思い出した。
やっぱり、夢では無かったのか。
恐る恐る携帯の画面を、進めていく。
残念なことに1件着信が入っている。
息をのんであたしは、それを見るためだが気がつかないうちに、力強くボタンを押した。
目に飛び込んだのはこの文字列たち。
『悪い芽は 摘み終わった。次は あなたの 源 預かります』
読み終わると同時に、インターホンが鳴る。
そのあとのことは――言うまでもないだろう。
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