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あたしは無事に次の日学校へ登校出来たのだが。
正直、生きた心地がしない。か細く聞こえる悪魔の囁きが教室を満たし、集団であたしを見やる猛虎は、こちらを見て獲物が来たと、ほくそ笑んでいる。
『不愉快極まりない』
そんな毎日だった、はずなんだ。
「今日は、欠席が多いな……。いつも元気な奴らが見当たらんようだが」
先生の言葉で、意識がはっきりとする。
(いない?!あたしをくくりつける奴らが、いない、のか?)
そもそも学校を休んだことがない奴ら。
突飛しているかもしれないが、飛躍したい気持ちが身体全身に駆け巡り、何処か興奮まで覚えた。自由に学校で過ごせる日が来たんだ、と。
内心スキップしたい衝動に駆られたが、なんとか抑えこんだあたしは、朝に昼休み更には放課後まで、何も危惧することが無かった。
ありえない!
その一心だった。
だけど、あたしの奥底に芽生えた物は言う。
『二度とここに来るな』
異常かもしれないけど、本当に思ってしまっていた。無意識のうちに。同じクラスメイトなのに、そう感じていたのだ。
(本当にそうならないかな――)
自分でも想像できるような、卑しい笑みをあたしは浮かべていた。そんな時に、あの声が耳に届く。
【メールが1件届いているよ♪】
「このタイミングで?誰だろ、全く」
手際よく受信ボックスから届いたメールを見る。内容を眺めると、文面が昨日の変な奴とあたしの記憶が合致するものだった。
『悪い芽が 芽生えた あなた。
私は あなたを 苦しみから 救う』
「なんのこと……?悪い芽?あたしが?何か悪いことでも考えてたっけ――」
考えても思い当たる節が見当たらない、むしろ被害者なのに。多少なりともワガママなどで困らせたりしたことはあるけれども。
思考を凝らしていると、すぐに聞こえる。あの声が。
【メールが1件届いているよ♪】
半ば、焦燥感と勢いでメールの中身を確認したあたし。
中は――簡単なものだった。
『あなたの 源 預かります』
(源?それって、まさか――)
最悪な場面が、頭の中でシュミレーションされる。今自分が考えているものでなければいいのだが、と切に願う。今いる場所は校庭の真ん中辺り。どうも不安感で、どうにかなりそうなあたしは急いで家に帰宅することにした。
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