第1章

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どうしたものだろうか。 あのメールが来て暫く経ってからというものの、誹謗中傷のメールまでぱったり止まってしまった。学校から家に帰る間、一件も入っていなかった。今までは10件近くはボックスに溜まっていたというのに。 やはり、何かが可笑しい。 携帯電話が、あたしの胸の中でブルブルと震えだした。それは決して携帯の着信ではないことは自分が一番よく知っていた。 ――硬直してから、さらに時間が経つ。 メールの着信ボックスを開いて 手順通りに指を動かして メールの内容をよく見る。 挙動不審ながらも、そんな行為を繰り返しているうちに、外が暗くなっていく。これだけ怯えさせといて、この間にそれらしいことが起こることはなかった。 (なぁんだ、何にもないじゃない) ひどく安心したあたしは、そのままベッドの上に横になって、まぶたを下ろす。 でも、微かに聞こえたんだ。 メールが 1件 届いているよ どうか、夢でありますように。 目が覚めた時には今まで通りでいいから、どうか、どうか――。
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