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近付かなければよかったのだろうか
引き返せばよかったのだろうか
あなたに恋い焦がれたあの瞬間から
きっと僕の運命は決まっていたのだろう
美しいあなたに出会えた
それは奇跡だ
後悔はしない
あなたに食べられるのなら本望だ
だってあなたの中で僕は生き続けられるのだから
******
ねぇ
私は嫌な女でしょう?
あなたを食べる代わりに
あなたをずっとそのままにするの
あなたをずっと見ていることが出来るのよ
あなたの羽根はもうぼろぼろね
永遠に飛べないかわりに
永遠に私のそばにいられるのよ
ほら みて
今日も空はあなたの瞳のように
どこまでも青く澄んでいるわ
草の葉をさわさわと
風が心地よく吹き抜けていく
もう あなたからの返事はないけれど
もう あなたからの息吹きは何も感じられないけれど
あなたは永遠に私のもの
ずっとあなたを愛でることが出来るのよ
ああ あなた
大好きよ
愛してる
……END
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