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あれから、メールを見ていないことを思い出した。
いつから、読んでなかっただろう。
友達も少ないから、メールは溜まっていないだろうけど。
そして携帯を開けると、電池は切れていた。
電源につなぐと、すぐさまメールが二通、自動で受信された。
そこには、「大丈夫?」「心配したよ」と、疎遠だった友達から短く添えられていた。
そのメールの前に、既読だが見慣れないメールが保護ロックされていた。
「未来のあなたへ」
このメールを未来の自分に託します。
今、このメールを読んでいるあなたは、少し混乱していることでしょう。
何しろ過去の自分からメールが届いていたのだから。
それはさておき、あなたもご存知だと思いますが、私は先ほど自殺を考えて行動に移しました。
でも、実現はしませんでした。
そして、その後の記憶が少し欠けているはずです。
それが今の私です。
何も心配はしないで下さい。
現に今、このメールを読んでいるのだから。
私は、昏睡状態でベッドに横たわっている自分を眺めながら、いろいろと考えました。
私達も馬鹿ですね、彼女に振られたくらいで祖父の睡眠薬を大量に飲むなんて。
でも、よいことが一つありました。
彼女が私の手を取り、泣いてくれました。
しかも、こう言って。
「あなたとずっと居たかった。でも、あなたの子供が産めない体なの。ごめんなさい」
そして頬にキスをして、部屋を出て行きました。
あなたの気持ちが、まだ変わっていないのなら、ぜひ、お願い致します。
追伸、霊体は便利ですね、手を使わずにメールが打てるのですから。
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