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咄嗟に、呼び止めようとする。 相手がどんな人間か知らないが、こんな場所で一人でいるのは嫌だった。 「おい!!」 しばらくして、重い扉が閉じる音と共に、辺りに静寂が訪れた――。 気が、狂いそうだった。 いつまで待っても、いつまで待っても、何もない。 蒸し暑さから頭がクラクラとして、目の焦点が合わなくなる。 あの男が出て行ってどのくらい時間が経っただろう? 私は、ただただ、見つめていた。
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