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柚の木で倒れていたのは、小柄な女の子でした。
近藤は女の子を布団に寝かせ、山南と話し合いました。
「近藤さん、この子は何者でしょう?
光と共にいきなり現れて……」
「さぁ。とりあえず、目が覚めるのを待ってみよう。」
ある晴れた昼下がり、
こうして彼女はここに現れました。
……あれ?
ここは、どこ?
「…………。」
彼女が目を覚ましたのは、お日様が夕日に変わろうとしていた頃でした。
「目が覚めたかい?」
声のする方に顔を向けると、優しそうな男の人がいました。
「あなたは?」
よいしょ、と体を起こし、訊ねる。
「僕は近藤 勇という名前だよ。
ここは僕の家なんだ。」
「近藤さん……?」
「私は山南 敬助といいます。
君は庭の柚の木から現れたんです。」
「柚の木?」
「覚えていませんか?」
「……はい。」
彼女は困った顔をして頷きました。
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