第1章

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柚の木で倒れていたのは、小柄な女の子でした。 近藤は女の子を布団に寝かせ、山南と話し合いました。 「近藤さん、この子は何者でしょう? 光と共にいきなり現れて……」 「さぁ。とりあえず、目が覚めるのを待ってみよう。」 ある晴れた昼下がり、 こうして彼女はここに現れました。 ……あれ? ここは、どこ? 「…………。」 彼女が目を覚ましたのは、お日様が夕日に変わろうとしていた頃でした。 「目が覚めたかい?」 声のする方に顔を向けると、優しそうな男の人がいました。 「あなたは?」 よいしょ、と体を起こし、訊ねる。 「僕は近藤 勇という名前だよ。 ここは僕の家なんだ。」 「近藤さん……?」 「私は山南 敬助といいます。 君は庭の柚の木から現れたんです。」 「柚の木?」 「覚えていませんか?」 「……はい。」 彼女は困った顔をして頷きました。
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