死亡なう

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だとすれば、輪廻転生の類か何か? あり得ねぇ。 狼狽する俺が現状を受け入れるのに、それからまる一週間はかかった。 周囲の会話を情報源に、ひたすら知識を溜め込む。その一方で養育という名の羞恥プレイを、なるだけ跳ね除けていった。 乳児体型で色々自由の効かない俺が、新生活に馴染めそうな見込みは、今のところ無い。 誰とも会話を望めず、介助なしには移動すらままならない生活は、精神的にかなりクる。そこらへんは間食や悪戯で、適当に気分を紛らした。 そんな感じで一変した環境に四苦八苦しつつ、日々を緩く過ごした。 異世界「メトロダイズ」の無名都市国家、「暗黒街」の住人として。 ーーこの頃の俺は、まだ何も気づいていなかった。 父が複雑そうな目で俺を見る理由も、これから降りかかる災難の、何もかも。
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