第1章

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2015.3.14 【From】 東都大学生物学研究室・和久井 【Sub 】 おめでとう! 【本文】末永君、せっかくのホワイトデーに同期の男友達からのメールで恐縮なんだが、いい知らせなんで喜んで欲しい。 先月、君がヒマラヤの山中で雪崩の上でサーフィンをするイエティの動画を送り付けて来たときはびっくりしたよ。うちの教授も驚いていた。というより大目玉を喰らったよ。 しかし、君がこんな悪戯をする男じゃないってことは僕が一番よく知っている。 動画に加工の後がないことが証明された。新種の類人猿だという可能性が出てきたんだ。君が冒険旅行の途中で送ってくれた標本や他の映像と一緒に、学会で発表することになった。 インターネットで秘境の君と連絡が取れ、Googleの衛星で世界中が見られる時代に幻の生物の存在が証明される……なんて夢のある話じゃないか。 君の長年の夢が叶ったってわけだ。帰国したら有名人だな。おめでとう!! 今頃君は厳しい冬山のベースキャンプで晴天を待っているのだろうか。 くれぐれも無理をせずに気をつけて。早く会いたいよ。
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