小説

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その後明美は、大和に殺される。それは、明美にとって幸せだったのか。送信ボタンを押しながら、私は考えた。 あなたの妄想を小説にしてみませんか? そんなメールが送られてきて、ほんの出来心から書いた物語だった。中学生の頃に登録していたが、最近はあまり使っていなかった携帯小説の投稿サイト『Able to be』からだった。そのメールを見たら、なんだか久しぶりに投稿してみたくなって、短編を書いた。 もし、私が彼氏である勇也に殺されたら・・・? そんなことを思っていると、急にバタバタと足音がして、お母さんが部屋に飛び込んできた。 「沙織、大変!勇也くんが、事故に・・・!」 「え!?」 ――勇也は、帰らぬ人となった。病院で見た彼は、眠るようにベッドに横たわっていた。 「沙織――」 誰もいない校舎裏。親友の友香は私の肩を抱き寄せる。 「う・・・っ、あああ・・・っ!」 ガシャーンッ! 泣き崩れる私の背後で、けたたましい音がした。振り返ると、植木鉢が粉々に割れている。私と友香が同時に空を見上げると、屋上でサッと人影が動くのが見えた。 「ねえ、これ、どこから・・・?」 友香が問う。 「今の人が落としたのかな・・・?」 「今の人って?」 「今、屋上にいた人だよ」 友香が訝しげな顔をする。 「今、誰かいたの?」 「え?」 気のせい・・・だったのかな。 もう一度空を見上げる。友香も、つられるように見上げた。
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