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お母さんはずっとお父さんに付きっきりだ。この家には誰もいない。友香もいない。友達もいない。相談できる人なんて、誰もいない・・・。
頭から毛布を被って眠りたかったけど、そしたら勇也が来てしまう。そうだ、私がいけないんだ。あんな小説なんか書いたから。あんな小説、なくなってしまえばいいのに・・・!
そう思った瞬間はたと気がついて、スマートフォンを手に取った。そうよ、なくしてしまえばいいんだ。投稿したものは削除できるはず。あの日のメールを探して、リンクをクリックした。
お探しのページが見つかりません。
え・・・?
私はもう一度メールの画面に戻り、再度URLをクリックした。お探しのページが見つかりません。何度やっても結果は同じ。
どういうこと・・・?
ネットに繋ぎ、サイトの名前を検索する。出てきたのは、あのサイトの運営会社のホームページだった。
携帯小説投稿サイト『Able to be』は20XX年○月△日をもって閉鎖いたしました。皆さま、長い間ご利用ありがとうございました。
頭が真っ白になる。
「なんなのよ・・・なんなのよ!」
壁に叩きつけたスマートフォンの画面は割れ、真っ暗になった。流れる涙もない。もう絶望しかなかった。
・・・ヒタ・・・ヒタ・・・・・・
――何かが近づいてくる。ああ、布団被らなくてもいいんだ、なんて、妙に冷静な言葉が頭をよぎった。
ヒタ・・・ヒタ・・・
勇也、来るんだ・・・。
・・・そうか・・・それならそれもいいかもな。
ヒタ・・・ヒタ・・・
だって、私勇也のこと好きだったもん。友香ともまた会えるね。あの教室に戻っても、もう私には・・・
キイ・・・
私は静かに目を瞑った。
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