第1話 出会い

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「生徒会なんて入らないっすよ」 俺は名も知らない先輩に話をしている。 「だってだって君凄くかっこいいじゃないですか!でも、春斗先輩と琉夏先輩と五月蠅いからなぁ~」 俺は一瞬、耳を疑った。 春斗と琉夏。 「え、春斗先輩と琉夏先輩?」 「知ってるんですか?」 「苗字は?」 「藤堂ですよ?」 「………春斗と琉夏」 紛れもなく俺の幼なじみだ。 俺の考えが正しければ俺と同じ学校。 それだけ聞いて俺は無性に二人に会いに行きたくなったのだ。 「先輩、一つ聞いてもいいっすか?」 「なんですか?あ、僕の名前ですか?僕は、湊 嶺樹です!」 「あ、いや学校まで連れて行って欲しいんすよ」 「わっかりました!」 聞いても無いのに勝手に名乗った先輩―――湊 嶺樹先輩は嬉しそうに公園を出て行ってしまった。 「ん~。やっぱり居ないか~」 「そうだな」 その頃春斗と琉夏は俺が居るはずの1年B組の教室で俺を探しに来ていた。 クラスの女子に聞いてみたり、教室の中を探してみたり。 もちろん俺はまだ居ない。 「来ないのかな」 「さぁな。そろそろ授業始まるぞ」 「え~。れ~ちゃんに会いたいよ~」 春斗はポケットからペロペロキャンデイを取出し、口内へ放り込む。 先に教室へ帰るのを確認した琉夏は1年B組の教室へ入り、俺の教室の机にペロぺるキャンディを置いて出て行った。 「くそ………。3年の教室って何処だよ」 俺はあれから嶺樹先輩に学校に連れて行ってもらい、春斗と琉夏が自分の教室へ帰った頃、俺は春斗と琉夏の教室を探していたのだ。 「居ない………」 「勝手に動かないでくださいよ~。教室はあっちですって」 「あの、先輩。お願いがもう一つあるんすけど」 「その前に!僕名前教えたんですから君の名前も教えてくださいよ!」 「………後鳥羽 零於です」 勝手に名乗ったのはそっちだろうと思い乍、俺は一応名を名乗った。 「零於くんですね。で、お願いとは?」 「俺の教室を教えて欲しいっす」 「着いてきてください!」 嶺樹先輩は楽しそうに1階へ降りて行った。 俺は急いで嶺樹先輩を追いかける。
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