破砕機

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溜め息を交えながら、俺ことAは黙々と携帯を破壊していった。 大手携帯会社に就職してから一年。携帯の基礎知識から専門的な知識まで勉強し、今にあたる。まだまだ新人の俺がこなす仕事は少ないし、給料も低い。あと数年は両親の“お小遣い”がほしいところだ、 「はいA君追加ね」 同じく新人のUさんはそう言うと、小さな両手に溢れる程の携帯を俺の机に無造作に置く。今夜も残業だと思うと俺は二度目の溜め息をついた。 「了解」 短く返し、俺は手元のガラケー(ガラパゴス・ケータイ)を破砕機で壊した。
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