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「 えっと、ごめん。 その、つい、本当に心配だったから・・・・ って、急にそんな事して今更言い訳にしか聞こえないか、
だいたい好きでもない男に抱きしめられて嬉しいわけないよね! ・・・・ごめんね」
そう言って彼は優しく、微笑んでくれた。優しい笑顔がわたしに向けられている。その笑顔がわたしはーーーーーーー
私はーーーーーー 、 どくんっーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
( 何、この感覚、っ痛、頭がいたい!!!!!)
「 菜樹那???ーーーー!!おい?!大丈夫か???! 」
「それ、私の・・・名前?」
わからない、私は、なんでこんなにも何もわからないんだろう。
「 !? ・・・ え?」
さすがに私の様子がおかしいと思ったのか、何かを察したのか、その一言で彼の優しい笑顔が一瞬で曇ってしまった。
「もしかして、自分の事がわからない?どうしてここにいるのかも何も?」
「 ・・・・・・うん。」
「 ・・・・・・・・・・・。」
長い沈黙が続いたその時、
ガラッッッ!!!!!!!!!!!!
「!!!!!!お、まえ、!!!!!」
勢いよく開けられたドアの前に立っていたのは、私を見つめ唖然とこっちを見ている、彼と歳が近い男の子だった。
「・・・・・彼の事は、わかる?ナズナ 」
不意に質問をされて固まってしまう。
この人のことも私にはわからない、けど、彼にもまた懐かしさを感じた気がした。
「 わかるって何?わかるだろ!!俺たち3人は小さい時からずっといたじゃないか、なあ?」
そう私に笑いかけてくれたけど、きっと私はこの人のことも傷つけてしまうのだろう。
「・・・・。」
沈黙してしまう私を見て、彼もまた固まってしまう。また、長い沈黙が来てしまうのかと手元にあるシーツを思わず握りしめてしまう。
「 ナズナ。」
( ・・・・・・・え? )
さっきまで顔を上げられなかったのに、名前を呼ばれて目を向けてしまう。
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