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「 君の名前は早瀬菜樹那(はやせ なずな ) 17歳の高2だよ。 俺の名前は鳴海斗真(なるみ とうま)、ナズナとは同い年だよ。
で、いまここに来たのが橘 颯 ( たちばな はやて )、彼も同い年。 俺たちは小さい時からずっと一緒の施設にいるんだ。」
( 斗真、颯 ・・・・・)
聞いたことがある、名前のような気がした。
彼の言う通り、私はきっとこの人たちと居たんだと素直に受け止めれたのは、いまやっと何かが腑に落ちたからなのだろう。
「おい、ちょっと待ってくれよ。 ほんとに、何も覚えてない・・・のか?」
ずっと黙って聞いていたハヤテという男の子が気に食わないという様子で身を乗り出し、私の顔を覗きこんでくる。
「・・・・自分の事も、2人のことも、何も思い出せなくて、・・・・ごめん」
謝っても前進できることじゃない。そしてこの一言一言で、またお互いに苦しい思いをしている。
そう思うだけで私はここにいちゃいけないんじゃないかって、どんどん追い詰められていきそうだ。
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