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オレはてっきり、二階の小会議室が会場だと思っていた。
だが、梅田さんは、つかつかとメイン屋内プールへと歩いていく。
行き先が間違ってない?
なんて思いながら後をついていく。
肩にモゾモゾと動くトートバッグを担いで。
「じゃあ、行くよ」
梅田さんが重い扉を開ける。
会場内は、すごい人いきれで充満していた。
プールを取り囲むように、いくつものグループが各所に陣取っている。
アルミシートに覆われた四角い箱が方々に置かれ、中からは聞いたこともないうめき声が聞こえている。
さらに、二階の観覧席にはたくさんの人々で埋まっていた。
オレは、史上最高にドン引きした。
ここには数百人の人々が、ラバナスを見に集まっていた。
化け物同士の食い合いを、今かいまかと待ちわびていた。
悪趣味きわまりない連中がこんなにもいるんだ。
オッサンがオレに微笑む。
「ラバナスの世界へ、ようこそ!」
〈 つづく 〉
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