第5話 許可

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目の前の残酷ショーに大興奮中だ。 周りを見渡せば、他のラバナスのブリーダーたちも二階席の観客も、アイドルのコンサートでも見ているかのように、微笑んでいた。 本当に、気持ち悪い人々だ。 「何なんだ、この大会は・・・。プールは、こんなことをするための場所じゃないぜ」 オレはここにいる全員を皮肉ったつもりだった。 だがオッサンには、質問に聞こえたのだろう。 丁寧に答えてくれる。 「プールは後片付けが楽なんだよ。すべてを洗い流せるから」 仔ウシがドーベルマンの頭以外を食べ終わると、ケージの中に戻された。 二つのケージがプールから運び出される。 ひとつは空っぽだけど。 入れ替わりで、また新たなケージが二つ運び込まれてくる。 その入れ替え時間を利用して、プールの中央に水が撒かれた。 排水溝に赤い液体が流れ込んでいく。 係員は手際よく、ドライワイパーで水を掻いた。 後片付けが楽って、こういうことか。 その妙な合理性が、オレの背筋を寒くする。 こいつら、本気で化け物の食い合いを楽しんでいるんだ。  ※ ※ ※ ※ ※
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