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さて、おまえともお別れだ。
いろいろ散々な目にあわされたけれど、一切を水に流してやる。
まあ、おまえらしく成仏してくれよ。
「試合規定を見ておくかい?」
オッサンに差し出された薄っぺらの小冊子。
そんなものは必要ない。
早く食われて終わりにしてほしい。
パラパラとめくって、読むフリだけはした。
係員に促されて、プールへと向かう。
スロープですれちがったのは、空のケージ。
ガックリと肩を落として台車を押す人。
その後ろを、大切そうにちぎれたウマの頭だけを抱えて、涙ぐむ人がつづいた。
オレたちは東側に陣取った。
二十五メートル先には、大きなケージ。
それを取り囲むパーカー軍団は、自信ありげに笑みを浮かべている。
会場がざわついているのは、オレたち側にケージがないからだろう。
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