第2話 感触

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身体の震えが止まらない。 浅く激しい呼吸。 何も考えることができず、ただジッとそのままこたつに座っていた。 テレビでは、今年の紅白歌合戦出場歌手の予想をしている。 出場当確アイドルの代表曲が流れる。 キンキン声が、やたらと耳障りだった。 ただその合間に、背後から聞こえてきたのはもっと不快な音だった。 バスタブのプラスチックを、硬い物が引っ掻く音。 カリカリ・・・カリカリ・・・。 「何で死なねぇんだよぉ」 オレは血に染まった両手で、耳をふさいだ。 〈 つづく 〉
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