第3話 解放

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インシュロックは、サルモドキを縛りあげるのに使えない。 強度は問題なさそうだが、この生き物には手首から先の凹凸が少なく、縛り上げてもスルリと抜けてしまうのだ。 せっかく古町十字路の百円ショップまで行って買ってきたのに。 使えたのは、布ガムテープ。 両手を後ろに回し、何重にも巻きつける。 簡単には剥がれないし、強度も十分だ。 両脚も同様に巻き、食欲の元凶たる大きな口も覆い隠すように張り付けた。 呼吸ができずに死んでしまうかもしれないが、それならそれでありがたい。 少し手間取りはしたが、これでサルモドキの動きを封じることができた。 一応ケージの中に放り込んでおく、壊れているけれど。 動物虐待? 何とでも言ってくれ。 どこにでも通報してくれ。 動物愛護センターの職員がやってこようが、誰がやってこようが、オレはこの拘束を解く気はない。
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