第3話 解放

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これは、どういう状況なんだ? 全然訳がわからない。 「いいぞ、いいぞ! そのまま行け! おまえは今度の大会で優勝するんだジュビリー号。こんなサル、秒殺してやれ!」 男は大興奮している。 すごい目つきで、大声をあげて。 オレはすっかり引いてしまっていた。 だけど、目の前でヤツが噛み殺される様を見せつけられるのは、複雑な心境だった。 この場合、オレはサルモドキを応援すべきなのだろうか。 「おい、どうした? 食っていいんだぞジュビリー号。ほら、何止まってる。食え、ジュビリー号、早く食えって!」 男の口調が変わって、オレも気づいた。 さっきからジュビリー号は、サルモドキを咥えてはいるものの、アゴは動いていない。 四肢はジッと芝生をとらえて動かない。 それは攻撃態勢ではなく、防御態勢に見えた。 自分の身体を支えるのに必死な様子。 まもなく、イヌの化け物は、頭を下げて地面に横倒しになった。 「どうした? おい、何があった?」
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