第4話 世界

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ヤツの気持ち悪さは、日々更新されていく。 気づけば、体中にびっしりと短い毛。 最初はカビでも生えたのかと思ったくらいだ。 それから、四つん這いでいることが多くなった。 二足歩行から四足歩行への退化? 逆進化? わけのわからん生き物だ。 布ガムテープで拘束して、風呂場に放置しておいたら、大量の糞をまき散らしやがった。 シャワーで排水溝へ押しやったが、糞が流れ終えるのに十五分もかかった。 でも、匂いまでは消えてくれない。 ファブリーズなんかものともしない。 トイレの消臭元でなんとかごまかすしかないか。 イヌの化け物を食ってから、もう四日が経った。 サルモドキが食い残した頭部を、ティアラさんが涙目で持って帰ったあの夜。 結局、ラバナスという名の動物であること以外、何の情報も得られなかった。 ただ、動物残酷ショーを見せられただけ。 それでも、糸口は見つかった。
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