第4話 世界

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あれから毎日、『ドラゴン・ウインスペクター』を見張っている。 おかげで、だいたいの操作方法をマスターし、何度かドラゴン退治に出かけたこともある。 どうやら、ヒジリガーナは強いらしい。 どこのパーティーでも重宝された。 昨日は、新しい魔法を覚えて・・・。 いやいや、ゲームの話をしたいんじゃない。 妖精たちの萌える森付近でうろついていると、四日目にしてようやくフレンドと再会できた。 例の、ティアラさん。 真っ赤なドレスの少女だ。 向こうから話しかけてきて、再度会うことを約束した。 場所は、オレの部屋。 茶店でもモスでもよっかたけれど、あんな悪趣味な生き物の話、他人に聞かれたらマズいでしょ。 というわけで、目の前にはティアラさんがいる。 ベッドを椅子代わりにして、座っている。 すでに魔法は解けた状態。 すなわち、梅田哲郎、三十九歳。 腹の出張った、中年太りのオッサンだ。 わざわざ長岡で有名な、Parisパイのミルフィーユを手土産に持ってきてくれた。 立派な社会人だ。
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