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オレは土産のミルフィーユを皿に乗せ、冷蔵庫からペプシNEXをグラスに注いで差し出す。
聞きたいことは山ほどあった。
ゆっくり食べながら話そうじゃないか。
オレはこれまでのいきさつを、かいつまんで語った。
あいつの失踪。
高級マンションに残っていた、パソコンとサルモドキ。
カラスを食い、フレンチブルドッグを食い、猫も食った。
オレがどんな思いでブルドッグの頭を海に沈めたのかも。
「ラバナスは頭を食べないってことも知らないのか? 本当に、無知なんだな」
梅田さんはペプシを一気にあおり、空のグラスを差し出した。
もう一杯欲しいらしい。
オレは面倒くさいので、テーブルの上にペットボトルごと置いた。
好きなだけ飲んでくれ。
「最近、毛が生えてきやがって。四つ足で歩いて、うなり声まであげるんだ。イヌみたいに」
「それは、ジュビリー号を食べたからだよ!」
オッサンはオレに凄んでみせる。
いやいや、闘いをけしかけてきたのは、あんたのほうじゃないか。
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