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「こいつは、不死身なのか? 踏みつぶしても、包丁で刺しても死ななかったけど」
「不死身なんかじゃない。ちゃんと死ぬ。でも再生能力が高いからね、腕の一本や二本切られたところで、ひと月後には生えそろっているよ。殺すなら、最後の最後まで息の根を止めないと。燃やしたり・・・僕のジュビリー号みたいに食べられたりね」
どれだけあの夜のことを根に持っているんだ。
しつこいオッサン。
「キミに話したかったのは、そのことなんだ。僕はあの夜からずっと考えていた。ジュビリー号が死んで、大会に出せなくなってしまった。他に出場できそうなラバナスも持っていない。そこで・・・」
オッサンは一大事でも打ち明けるかのように、妙な間をあけて続けた。
「この子が欲しいんだ! ジュビリー号の代わりに、この子に出場して欲しい!」
サルモドキが欲しいだって?
冗談じゃない!
オレは腹が立った。
だって、そうだろう?
オレはヤツを手放したくてしかたがないんだから!
そんな話なら、早く言ってくれればいいのに!
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