第4話 世界

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「これは水泳大会のお知らせなんかじゃない。ラバナスの愛好家たちが集まる大会のことだよ。ラバナスの試合を、表だって案内できるわけないじゃないか」 水泳大会は隠れ蓑。 その実は、化け物同士の食い合い。 「ラバナスのブリーダーたちは、その力量を見せ合う場所が限られている。普段は草試合でしか力を試せない」 「くさ、じあい?」 「そう。ブリーダー同士が了解しあって、ラバナスを闘わせる試合のことさ。ジュビリー号は草試合、十連勝中だったんだぞ。大会は、いわば公式の試合。たくさんのブリーダーたちが一堂に会する場所なんだ。他の県からもやってくる。ラバナスブリーダーたちの、一年に一度のお祭りみたいなものさ」 「それに、オレも参加しろってこと?」 梅田さんは、深くうなづいた。 ははは。やっぱり、冗談きついぜ、オッサン。  ※ ※ ※ ※ ※
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