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 明日から冬休みになるからか、生徒たちは浮足立っている。 「ひまりちゃん、冬休みって予定ある?」 「ううん、冬期講習に行くくらいかな」 「……そうなんだ」  何かを言いたそうにしている伊月の後ろで、三沢が冷やかすような視線を向けてくる。 「クリスマスイヴ、会えないかな」 「えっ?!」 「あ、ダメならいいんだけど……振ったヤツと過ごしたくなんかないよね」  ひまりは、気まずそうに席に戻っていく伊月の袖をつかんで引き止めた。 「……いいよ。七瀬くんと過ごす」  ひまりは、伊月の誘いに驚きつつも、二つ返事でOKした。
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