262人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
カフェに入って、コートを脱いだ伊月のVネックのニットの襟元から、ひまりは視線を動かせなくなった。
「……七瀬くん、そのネックレスどうして持ってるの?」
「えっ、なんでって……」
畳んだコートを椅子の背に掛けて、ひまりと向き合った伊月も同じように驚いている。
「俺は、小さい時に母親がプラネタリウムで買ってくれたからだけど……ひまりちゃんこそ、なんで同じのしてんの?」
「私は……」
杏汰からだって言ったら、驚くだろうか。唯一忘れずにいてくれる伊月なら、理解をしてくれるかもしれない。
「私は、杏汰からもらったの」
「……アイツから?」
伊月は大切そうにしているひまりの気持ちを察して、言葉を飲んだ。
最初のコメントを投稿しよう!