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 カフェに入って、コートを脱いだ伊月のVネックのニットの襟元から、ひまりは視線を動かせなくなった。 「……七瀬くん、そのネックレスどうして持ってるの?」 「えっ、なんでって……」  畳んだコートを椅子の背に掛けて、ひまりと向き合った伊月も同じように驚いている。 「俺は、小さい時に母親がプラネタリウムで買ってくれたからだけど……ひまりちゃんこそ、なんで同じのしてんの?」 「私は……」  杏汰からだって言ったら、驚くだろうか。唯一忘れずにいてくれる伊月なら、理解をしてくれるかもしれない。 「私は、杏汰からもらったの」 「……アイツから?」  伊月は大切そうにしているひまりの気持ちを察して、言葉を飲んだ。
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