12

3/12
262人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
「伊月くん、そういう態度だから私が受け入れられないのよ。確かに私が後から七瀬家に入ったけれど、私の気持ちを考えて歩み寄ってくれたことはある?」  一緒に帰国した継母は上から言い放ち、冷たい視線で見つめている。 「俺が、いつアンタに文句を言った?いつ俺が弟を可愛くないって言った?そんなこと1度だってないよ。先とか後とかそういうことじゃない。母さんが作った家族をいきなり壊しに来たのは、アンタだってことわかってるの?親父も、どうして……」  伊月は、涙をぐっとこらえて、怒りの色をありありと灯した瞳に両親を映した。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!