12

7/12
前へ
/479ページ
次へ
 始業式の日はHRがメインで、帰りが早い。  中には部活のある生徒もいるようだけど、ひまりは相変わらず担任に呼び出され、明日配る予定のプリントを人数分にまとめる作業を手伝わされてしまった。 「……ったく、人遣いが荒いというか」 「ホントホント。おかげで私までこんな時間に帰る羽目になったし」 「真帆が手伝ってくれなかったら、脱走してたかも」 「はいはい。本当は七瀬くんがよかったって、顔に書いてありますけど?」  真帆といると、ひまりも気が楽だった。  どういうわけか、考えていることを言い当てられるせいで、不満や不安を必要以上に抱えずに済んでいる。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!

262人が本棚に入れています
本棚に追加