壱
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縋りつきたくなる衝動を抑えるのは 胸を潰すほどの、大きな、大きな罪悪感・・・ そして、この年になっても 庇護を求めてしまう情けない自分への失望感。 扉の前で佇む貴子は フルッと一度首を振り、背を向ける。 『・・・これじゃあ、ダメ・・・』 本当は、そう、もう分っている。 だから、当てもなく、歩き出す。 このまま、消えてしまえたら・・・、と 願ってしまうほど、心許なく思っていたけど・・・
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