壱
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勇者に目を丸くする貴子に兄嫁はカラカラと笑う。 「だってね、 生きてきてまだ15年しか経っていなかったけど ずっと、あの人が好きだった。 だから、どうしてもあの人だけ、欲しかったの。」 丸顔で優しい見た目に反し、気の強い彼女。 でも、昔は浅草小町ともてはやされるほど 可愛らしく、かなりモテた。 その凄さは 年の離れた貴子だって記憶しているほどだ。
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