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「そんなの、分かってる。お前は、そういう奴じゃない………そういう事、出来る奴じゃない」
分かってたのに。
リアムの気持ちが見えなくて……変に疑った。
身代わりなんじゃないかって…。
そんな奴じゃないのに。
俺、馬鹿だ…。
大馬鹿野郎だ。
真っ直ぐに見返して伝えた俺に、リアムは嬉しそうにふわりと微笑んだ。
夕日に照らされて、金色の髪がキラキラと光り、その眩しさに……愛しさに目を細める。
「ひなたが好きだよ」
こんな事って、あるんだろうか。
嬉しさ、喜び、驚き……感動。
色んな感情がない交ぜになり、どんどん溢れてくる感情に胸が…喉の奥が詰まって、声も出せない。
声を出したら、泣きそうだ。
手に入らないと思っていたものが、今、目の前にある。
どれだけ望んでも、恋い焦がれても、決して手なんて届かないと思っていた。
一生、この恋は叶う事はないと覚悟していた。
それなのに……。
「俺……」
俺も、お前が好き…。
そう伝えようとした、その時……。
「高校卒業したら、アメリカの大学に通って、そのまま、向こうでやりたい事があるんだ」
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