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教室に戻ると戸田が美咲を呼ぶ。
「今行く!康太君は今のうちにお弁当食べなよ」
「あぁ、食べるよ」
俺から去って行く後ろ姿でさえ欲情してしまう。早く俺のものにしてしまえばこの気持ちは落ち着くのか・・・・
余裕ないな。誰の目にも触れさせず、俺にしか見えないところに閉じ込めてしまいたくなる・・・
美咲のビキニ姿を見て冷静で居られる自信なんてない。
「弱っちいな俺・・・・」
弁当の卵焼きをほおばる。
そのまま空を見上げると青空が広がっていた。
「ねぇ美咲この日はどうかなぁ」
「私は大丈夫だよ。康太君!康太君!日曜はどうかなぁ?」
「日曜なら部活も昼までだし、昼からなら行けるよ」
「部長にも伝えとくよ」
「じゃあ美咲は土曜の夕方俺ん家な」
とびきりの笑顔で合図を送る。
「約束は守ろうな」
美咲の顔が赤くなり下を向く。これで土曜までは俺のことで頭いっぱいになるかな。
もっと俺のことだけ考えて俺だけで溢れさせたい。
5時間目は美術。
「今日は隣の人と向かいあってお互いの顔を書いてください。出来るだけ立体感や影を付けて正確に、はい向かいあって」
こんな日だけは隣の席で良かったって思える。
他のやつが美咲の顔を見ながら書くなんて絶対我慢出来なかった。
「もっと近くに来てよ。俺目悪いから」
「嘘だ。そんなの初めて聞いたよ」
「嘘じゃないって!ほら、授業中に堂々とイチャイチャ出来るっていいね。みんな見てよちゃんと書いてるよ。
可愛く書いてあげるから」
美咲の顔が赤く染まる。美咲はすぐ赤くなるからわかりやすい。
「あっ鉛筆落とした。美咲の下にいった、取れる?」
「ちょっと待ってね」
美咲が机の下にしゃがんで鉛筆を探す。一緒に探すフリして・・・
「チュッ・・・」
「ちょっと、今授業中だよ」
「美咲がチューしてほしそうだったから」
「してほしそうだったって・・・そんな顔してないし」
授業中だけあって美咲は更に赤くした顔をそむける。
美咲の赤く染まった顔を見ると俺の中でスイッチがはいる。
「西!月山!どうした?」
「なんでも無いです。あ・・・先生、月山さんがお腹痛いみたいなんで保健室に連れて行って来ます」
「月山大丈夫か?」
「え・・・私・・・」
「じゃあ月山さん行こうか」
強引に腕を掴み連れ出した。
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