2話

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教室に戻ると戸田が美咲を呼ぶ。 「今行く!康太君は今のうちにお弁当食べなよ」 「あぁ、食べるよ」 俺から去って行く後ろ姿でさえ欲情してしまう。早く俺のものにしてしまえばこの気持ちは落ち着くのか・・・・ 余裕ないな。誰の目にも触れさせず、俺にしか見えないところに閉じ込めてしまいたくなる・・・ 美咲のビキニ姿を見て冷静で居られる自信なんてない。 「弱っちいな俺・・・・」 弁当の卵焼きをほおばる。 そのまま空を見上げると青空が広がっていた。 「ねぇ美咲この日はどうかなぁ」 「私は大丈夫だよ。康太君!康太君!日曜はどうかなぁ?」 「日曜なら部活も昼までだし、昼からなら行けるよ」 「部長にも伝えとくよ」 「じゃあ美咲は土曜の夕方俺ん家な」 とびきりの笑顔で合図を送る。 「約束は守ろうな」 美咲の顔が赤くなり下を向く。これで土曜までは俺のことで頭いっぱいになるかな。 もっと俺のことだけ考えて俺だけで溢れさせたい。 5時間目は美術。 「今日は隣の人と向かいあってお互いの顔を書いてください。出来るだけ立体感や影を付けて正確に、はい向かいあって」 こんな日だけは隣の席で良かったって思える。 他のやつが美咲の顔を見ながら書くなんて絶対我慢出来なかった。 「もっと近くに来てよ。俺目悪いから」 「嘘だ。そんなの初めて聞いたよ」 「嘘じゃないって!ほら、授業中に堂々とイチャイチャ出来るっていいね。みんな見てよちゃんと書いてるよ。 可愛く書いてあげるから」 美咲の顔が赤く染まる。美咲はすぐ赤くなるからわかりやすい。 「あっ鉛筆落とした。美咲の下にいった、取れる?」 「ちょっと待ってね」 美咲が机の下にしゃがんで鉛筆を探す。一緒に探すフリして・・・ 「チュッ・・・」 「ちょっと、今授業中だよ」 「美咲がチューしてほしそうだったから」 「してほしそうだったって・・・そんな顔してないし」 授業中だけあって美咲は更に赤くした顔をそむける。 美咲の赤く染まった顔を見ると俺の中でスイッチがはいる。 「西!月山!どうした?」 「なんでも無いです。あ・・・先生、月山さんがお腹痛いみたいなんで保健室に連れて行って来ます」 「月山大丈夫か?」 「え・・・私・・・」 「じゃあ月山さん行こうか」 強引に腕を掴み連れ出した。
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