2話

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あれ以来美咲とは気まずくなり、教室で会っても顔も見れないでいた。 寂しいけどすこし頭を冷やせて良かったかもしれない。でないと気持ちが抑えられず美咲を傷つけていた。 「嫌われただろうな」 声をかける勇気も顔を見る勇気さえない・・・ その日の放課後、部活の練習は何をしたのか、いつ家に帰ったのか全く覚えてない。 「康太ー!起きなさい!!練習あるんでしょ?遅れるわよ」 「そうか・・・今日土曜か、練習か。 てことは明日が海行く日か、行かないなんて言ったら戸田は怒るかな」 ゆっくり起き上がり食欲はなかったので食べずに出た。 「おいっ康太!ちゃんと届くパス回せよ」 「悪い。」 体が思うように動かない・・・ ふらっ・・・やべえ・・ 目の前がぐるぐる回ってその場に座り込んだ。 「大丈夫か?熱中症かもしれん。陰で休んどけ」 「すいません。」 あぁ・・・ダメだ。目が回る。 日陰で横になると空が白く見えた。あんなに綺麗な青空がまるで色が消えたようだった。 疲れてるせいだよな・・・そんな時でも頭に浮かぶのは美咲の怯えた顔だった。 あんな怯えた顔は初めて見たな。 美咲の笑った顔はもう見られないんだろうか・・・ 俺から美咲を取ったら何が残るんだ。 そんなことばかり考えていた。 「康太、今日はもう帰れ。お前ここ数日おかしいぞ。」 「俺大丈夫です!ちょっと休めば大丈夫です」 「お前地区大会のレギュラーなんだぞ!わかってんのか!休める時に休んどけ。とりあえず今日は帰って寝ろ」 「はい・・・。すいません」 そのまま帰り支度をし、家に帰りベッドに潜り込んだ。 「もぅ・・・何も考えたくない」 ピンポーン。。 「はーい。えっ、まぁどうぞどうぞ上がって」 誰か来たのか・・・まぁいい。 今は何も考えず少し寝よう。 トントントントン・・・ 慌ただしく誰かが階段を登って来る。 「康太!お客様よ。」
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