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数学をなんとかやり過ごした俺はどっと疲れが湧いていた。
「イター!」
「うぎゃー」
そして後ろから悲鳴。
もちろん先程の二人なのだけど、恐る恐る後ろを振り返ると菅くんが二人の頭をグリグリしてた。
「痛いっすぅ~」
「山田っち助けてぇー」
俺に振るな、とは言えないよな。
「菅くん、程々にしてあげて」
「…チッ、」
地獄のグリグリは俺の一声で収まった。鶴の一声だな。
「山田、こいつらの言ってることにいちいち反応するな。アホが移るぞ」
「酷いっすよー今のグリグリのせいでバカになるっす」
「お前のその喋り方がそもそもアホ過ぎてぶん殴りたくなるんだよ」
「確かに!裕ちゃんのその喋り方カンに触るねぇ」
「ううっ、涙は出ないっすけど哀しいっす」
うん、この人たち仲良いや。
ちょっとほっこりしながら三人を眺めていたら菅くんの視線に気付く。
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