第3話

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嘘みたいだ。 憧れの千葉ユリカがミミ子役なんて鼻血が出るんじゃないかってくらい嬉しい。ミミ子役が千葉ユリカだったらなぁーなんて夢物語でしか思ってなかったのに。 見よう。 「で、頬が緩みっぱなしの先生には申し訳ありませんが、次回作の話をしていいですか?」 「……い、胃が痛い」 「先生は何故か猫が出てこない話を書くと極端にクオリティーが下がりますね」 「…だって俺、猫好きだもん」 「猫耳シリーズもだし、その他もぜーんぶ猫」 そう、俺の小説は猫が必ず出てきて、その上メインキャラになる。一度だけ猫キャラ無しの話を書いたら大変なことになった。 即ち、猫があっての俺。 「今回提出して頂いたこのプロットもなんというか捻りがないというか身が入ってないというか…まあ言っちゃえば面白くないです」 グサッ! 俺のガラスのハートに突き刺さる言葉にハンバーグを口に運ぼうとした手が止まる。 やはり見抜かれてしまった。自分もあまり自信がなかったからなんとも言いようのない気分だ。
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