第3話

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◇ 翌日、日曜日ということもあり、なんとなく散歩に出掛けることにした。まあアレだ、気分転換ってやつ。 昨日帰ってから色々考えては見たもののコレだ!って奴が浮かぶことはなく、脳みそがただただ痛い思いをしただけだった。 たまにこうやって散歩して何というかインスピレーション?的なものを上げるのだが、夏間際のちょっとムシムシしたこの感じは不快だ。 これが所謂梅雨ってヤツか。 「アレ?山田くんじゃないっすか」 通り過ぎようとしたコンビニの前から聞き覚えのある声がした。あのオレンジ頭は確かに彼だ。 「もしや塚本くん?」 「ソーっす!いやぁ、暇だなぁとか思ってコンビニの前で人間観察してたんすけど、思わぬ出会いってあるもんっすね」 八重歯をニョキッと出してはにかむ塚本くん。なんか塚本くんって愛らしいんだよな。 それにしてもいつもの学ランと私服だと雰囲気が違う。 大きめのロゴシャツにハーフパンツ、そんでキャップ帽。もう夏真っ盛りな格好だな。
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